知って得する 恐い子どもの便秘❸

2018/05/02

小児科医・内科医 倉信 均

はじめに
第一回、二回と「恐い子どもの便秘」について述べてきました。少しは理解して頂いたとは思うのですが、この便秘の話を読んで、色々疑問を感じたり、質問があるのではないかと思います。それに答えるかたちで問答をしていきたいと思います。

 

子どもの便秘 Q&A

❶便秘の時は水分を多く摂ったほうが良いですか?
答え⇒乳幼児の1日の水分量を知っておくと良いでしょう。
便秘には色々な原因があります。水分が不足して便が硬くなり、便秘になることも考えられ、そういう意味では、便秘になった時水分を多く摂ることは理にかなっています。かといって、水分の摂り過ぎも問題があります。便秘の原因を探るとともに乳幼児の1日の水分量を知っておくと良いでしょう。
下図を参考にしてください。ただし、食事に含まれる水分量も含んでいます。

❷綿棒で赤ちゃんの排便を促すことができますか?
答え⇒1つの方法として、綿棒を使うやり方もあります。
便秘になった場合、腸を刺激して排便を促すことが必要です。綿棒を肛門からくるくる回しながら挿入して、腸を刺激し排便を促すやり方があります。
ただ、肛門を傷つける恐れがあるので1日3回以内にどめた方が無難です。
また「綿棒で肛門を刺激するのは怖い」という方は、スポイトを買ってきて、冷水を肛門にピュッとかけてあげると、いわゆるウォシュレットの感覚で肛門反射がおき、排便が促される、という方法もあります。

❸ベビーマッサージは赤ちゃんの便秘にもいいですか?
答え⇒腸の運動を促すことが出来ます。
おへそを中心に「の」の字を描くようにマッサージをすると、腸の運動を促すことが出来ます。オムツの交換の時にでもしてあげると良いでしょう。しかし、即効性はありません。お腹が張って痛がる時は、避けた方が良いです。

❹赤ちゃんの便秘が増えているようですが?
答え⇒色々な要因が重なっているのでは
最近便秘で受診される乳幼児が増えています。基本的には指導・治療により大半の方が治っていきます。しかし、一部、学童になっても治らない子どももいます。
なぜ便秘の子どもが多くなっているのか、原因はハッキリしません。
やはり、大人の「遅寝遅起き」の生活習慣が子どもに影響しているとか、食生活が日本食から洋風に変化し、繊維質を摂らなくなったとか。乳幼児の時の決まった時間での排便ができなくなっているとか。色々な要因が重なっているものと思われます。また、排便は、自律神経によってコントロールされていますが、その発達が以前に比べて遅いのも原因かもしれません。

❺2歳の子どもが便秘になり、病院を受診したところ下剤を処方されました。この年令から下剤を飲んで大丈夫ですか?
答え⇒下剤は最後の手段と考えてください。
腹痛がひどくなり、苦痛で苦しみます。そういう時に一時的に浣腸したり、便を柔らかくするために下剤を服用します。
しかし、基本的に乳幼児に浣腸したり、下剤を服用させるのは身体によくありません。

❻体質による便秘は治りますか?
答え⇒便秘になりにくい体質に変えていくことで克服します。
確かに、便秘しやすい体質はあります。しかし遺伝ではありません。その体質を克服するには、便秘しにくい体質に変えるしかありません。具体的には次の方法をためしてみてください。
⒜バランスのよい食事を摂る
 バランスの良い食事を摂ることが基本ですが、さらに「便を柔らかくする食材」「腸の動きを整える食材」「便のカサを 増やす食材」などを考えて摂取することが大切です。
⒝腸に刺激を与える運動
 運動としては「前屈の態勢で行う運動」「腰を捻るような運動」「屈伸運動」などがよいでしょう。
⒞決まった時間にトイレに座る
 朝食後(一番腸の動きが激しい)決まった時間にトイレに行くことで、条件反射が誘発され、排便につながります。

❼幼児の場合、お菓子の食べ過ぎは便秘につながりますか?
答え⇒腸内細菌のバランスが崩れ、便秘になりやすくなります。
大腸の動きは腸内細菌によって大きく左右されます。腸内細菌が理想的なバランスで生息していなければ 「いいうんち」もできず、出口にも移動できません。
腸内細菌には、健康に良い働きをする善玉菌とそうでない悪玉菌があります。
善玉菌が優位であれば、腸内に酸がたくさん生成され、それが大腸の動きを活発にして、理想的な便をつくりだしてくれます。
お菓子、ジュースを摂り過ぎると栄養が偏り、また繊維質も摂れなくて、腸内細菌のバランスが崩れ、便秘になりやすくなります。